不調をどう捉えるか
昨日はギフトdayを開催させて頂きました。
暑い中お越しくださり、受けとってくださった皆様、本当にありがとうございました。
昨日は鍼灸を受けたことがないという方が多く、軽めの刺激でこんなに変化が出るという事に驚かれている方もおりました。
人それぞれ体質、思考、症状や病の深さのようなものなど、様々な違いがありますので、一度で終わらない事や即効性がでない事ももちろんありますが、鍼灸は心身のケアに関する有効な手段の一つです。
今回久しぶりの開催でしたが、これでご自身の事を振り返るきっかけになればよいですし、免疫力の維持・向上や、
受け取った分を誰かに託して頂くことで自分自身も誰か(何か)に対する想いを感じるきっかけになれば良いなと考えております。
誰かに優しくしたり、何かをすることで、自分自身が幸福感を感じたり癒されるような仕組みも人体には備わっているそうです。
情けは人の為ならずは、こういうところからも感じ取れますね。
私自身も継続して行いたいことですが、ぜひ誰かへの優しい気持ち、行動を考えてみて頂けましたら幸いです。
さて、ここからはちょっと難しいお話になります。
なぜ不調は起こるのか?どう治すのか?
様々な考え方、方法がありますし、合うか合わないかという事も含めると、幅が広すぎてよくわからないこともたくさんあります。
私は鍼灸マッサージ師の資格をとるために学校に通っていたころ、よく耳にした言葉がたくさんありますがその中に、
「本治法」、「標治法」
という言葉があります。
簡単にお話しますと、「本治法」は病の根本から治す、「標治法」は表に現れた症状に対する対処療法という感じです。
鍼灸業界の流派?そもそものやり方のひとつ?に、
問診などから病の根本を見つけ、根本に通じる経絡・経穴にアプローチすることで治すことができるという考え方がありますが、
当時学生だった私は、偉い、すごいと言われる先生方のデモを見たり、お話を聴き、それでたいていの病や症状は治せるものだと勘違いしました。
しかし、実際には病の根本なんていっても、めちゃくちゃ幅が広いですし、奥も深い。
例えば根本が捻挫などの外傷であればわかりやすいですが、悩みから発生している病だとしたらどうでしょう?
人それぞれ悩みはあって当然ですが、十人十色です。悩み方も同様ですね。
それを根本から治すことって鍼灸で可能ですかね?
我々の業界では悩みも「内因」として重要な手掛かりにしますし、悩みから派生する症状を
鍼灸で緩和することは可能ですが、鍼灸で悩みが消えるわけではないですよね。
それってアプローチ方法が違いますよね。。
私はそのことに臨床現場だけでなく、まちなかへ出て、たくさんの人と話すことで気づきましたが、そこに気づくと、
鍼灸施術の無力な側面、世界の広さ、社会の複雑さなど、様々な事にも気づき始めてきました。
なんとまぁ、本治法という言葉のマジック。とらえ方によっては勘違いしてしまう魅力的な響き。勘違いしていた自分が恥ずかしい。。。
そんな病に対する向き合い方に少しずつ気づき始めると、不思議な症状にも出くわします。
ぎっくり腰のような腰の痛みなのに、きっかけがなく、体内から炎症が発生しているとか、
背中が痛いけど心電図やエコーでの所見なし、筋肉的な要因も考えにくいとか、、、
検査でも原因不明、どれだけ鍼やマッサージをしたり、整体で筋骨格を整えたり、エネルギー療法も試してみたり、CSFの流れを整えてみたりなど、
何をしても少し痛みが緩和するだけという、「???」な状況。
もっと精密に検査をすれば何か見つかることもありますが、精密に検査してもみつからず、どれだけ病院をさまよっても見つからないなんてこともあります。
そこで可能性の一つとして、悩みやトラウマなどメンタルの部分に触れると、痛みが誘発されたり、逆に緩和する事がある、という事にも気づきました。
身体的な事でいえば、過度のストレスが長引くことで副腎や脳などに異常をきたし、疼痛緩和システムの破綻や神経的な炎症の発生などに当てはまると考えられます。
この場合はここに行く前にストレス源がなくなったり、うまくコントロールできれば状況が変わったであろうと思えますが、悩みは様々出やすい社会ですね。
子育てで悩んだり、周りのみんなと違うとか、パートナー同士の悩みとか、価値観の多様な今だからこそ自由になれる部分もあれば、それで逆に苦しんでしまうこともありますね。
そんな状態なのに、本治法で根本部分に鍼灸治療しました!なんて、とてもじゃないですが言えません。
(あっ、同業者への批判とかではないです。ただ、病や不調はいろんなところから発生しうるという、例え話の延長です。)
そんな時には症状の緩和は可能ですが、根本的な部分は自分自身の思考含め、過ごし方だったりすることもあります。
何らかの不調があるということは、自分に何かその要因があるという事が多いです。
必ずしも思考とも限りませんが、その何かの要因をご自身でひも解くことで、どんどん不調から遠ざかることがあったりします。
結局のところ、西洋医学にしろ、東洋医学にしろ、自分自身の治るきっかけと力がないと、なかなかうまくいきません。
そして私の得意な仕事のしかたは、その不調の緩和と、不調が発生した背景に気づくきっかけをつくる、そして回復へのお手伝いだったんだと、ここまで様々な経験とお話を聴かせていただく事で気づくことができました。
ALSやパーキンソンなど、どうしても手が届かない病にはできることとできないことがあり、根本を治すということには限界を感じてしまいますが、
そのほかの部分ではまだ力になれる余地があると思い、日々の仕事にあたっています。
ギフトdayも、やっていくうちに、その一環なんだと気づきました。
いつかどこかで、出口が見えない方のお役にたてるきっかけになるかもしれませんし、ご自身のことを振り返ることで大きな不調にもならずに終わるかもしれませんし、こうやって私が書いたものを読んだ方が何かに気づくかもしれません。
業界を離れること、鍼灸院を離れること、仕事を離れること、勉強してきたマニュアルや知識から離れる、、、
離れる機会を持つって大切だなぁという事にも気づきました。
ここまでくると締め方がわからなくなってきますが(笑)、
なぜ不調が起こるか、どう治すか、または付き合うか。。。皆様はどうしますかね?
私の場合抱え込む気質があるので、自分だけで悩んで頑張っていたら苦しみから抜けられない、気楽に、楽しんで、そして無理せず外に向けて出ていこう。
そんな感じです。笑
文章だと細かいところが表現しにくく、そして伝わりにくく、、異論など多々あるかと思いますが、議論するための書き物、意図ではありませんので、あくまで私の経験の一部、考え方としてください。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
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