なんとなく湧き上がってきた心の声
昨日は髪を切りに行きましたが、目の前に積まれた雑誌の中に、体を健康にするツボの本といった感じの本が混じっていました。
いつも思うのですが、そんな簡単にこの症状にはこれといったような、安易な処方をして良いものなのかと。。。
確かに、ツボにはそれぞれ性質があるようですし、特効穴と言われても良いようなものもあるようです。
しかし、その様な性質を持っていたとしても、その人の、その時の状態を無視したツボの使い方をしてしまうとどうなるでしょうか?
例えば、いつも食べ過ぎてしまい、胃がもたれたり痛みが出ている方が本を読み、胃の痛みには腹部の中脘というツボを刺激すると良い、指でおしてくださいと書かれていたとします。
色々な流派や考えがある業界ですから、そういう時にそのツボは使わないという方もいると思いますが、腹部や胃の症状では必ず中脘を使うという方も多いと思われます。
ある流派では、胃の症状以外でも、必ず中脘を含めた経穴に最初に刺鍼すると聞きます。
なので、多数の方はこのチョイスは正解と言うでしょう。
しかし、実際はもっと細かく診察して評価しないと、そのツボがその時使えるツボか、判断できないと思います。
痛みの出る時間帯や痛みの位置、体質、既往歴、そのほかの症状や気になっている事、生活習慣などなど、収集すべき情報は挙げたらものすごい量になると思います。
しかも、そもそもそこを刺激して良いのかどうか、良くても刺激量や刺激方法も考えなければいけません。
実際にツボを使うとなると、そこまでしなければいけないのが普通だと思います。
実際に朝から晩まで治療に向かっている方々はそうして身体を治しているわけでしょうけど、そうやっているわけでもなく、ちょこっとここが効くと書かれた本を読んで試しているだけでは、効果なんかそう簡単に出ないと思います。
場合によっては、悪化もありえます。
診察なくして本を出すだけって、私は無責任に思います。
確かに法的には自分で処置する分には問題はありませんし、本を書く側もお金になりますからね、書きっぱなしでいいわけです。
しかし、実際に患者さんと向き合って治療を施す我々としては、情報をキャッチして正しい判断をしないと、よけいに悪化させますし、クレームや訴えられる可能性もあります。
場合によっては命にも関わります。
なので、そうやってツボの本ってあっさり売られてしまうと、「なんだ効かないじゃないか!」となりかねないし、「結局はツボってマユツバ、東洋医学なんて何にも効かないじゃないか!」と、我々に帰ってきてしまいかねないような気がするのです。
ちょっとヒートアップしてきてしまいましたが、要は、身体の状態は全員違うし、常に変わるので、そんな本では的をいることはできないと言いたいです。
ちょっとそんな本を見つけてしまいましたので、ついつい書きたくなってしまいました。
まぁ、鍼灸も含め、この手の業界は、色々な考えがありますし、結果はそれぞれで出てますから、私の考えもその中の一例という事になりますが。
合うか合わないかは、実際に治療を受けて判断するのが良いかもしれませんね。
では今日はこのへんでー。
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